2012(平成24年)/10/6公開 114分 カラー ビスタ 映倫番号:119370 G
配給:東映 製作:「新しい靴を買わなくちゃ」製作委員会
<恋愛の神様>北川悦吏子が仕掛ける、偶然から始まる恋・・・精鋭クリエイター×豪華キャスト陣×全編パリ撮影を、岩井俊二がプロデュース!たとえば、一生の終わりに自分の人生を思い出したとして、あのパリでのことは、どうしたって避けては通れないだろう。あの時、僕は彼女と会って、彼女は僕に会って、それっきりもう会うことはなかったのだけど、だからこそ、忘れられない思い出となった。こんな風に言うと、バリバリの純愛メロドラマを期待されるかもしれないけど、そういうことではなくて。まるでなくて。人生という道に迷った同志のような、なんだか少し世間とはズレてしまった、そんなふたり。コミカルで、悲哀に満ちていて、胸の真ん中が切なくなる・・・パリでの短くとも長い3日間の物語。
妹に付き添って、パリ観光にやって来たカメラマンのセン(向井理)は、パリに着くなり、単独行動をしたいと言う妹スズメ(桐谷美玲)に置き去りにされてしまう。泊まるはずのホテルもわからず途方にくれるセンだが、落としたパスポートが踏まれて破れてしまい、さらに困った状況に…。踏んだ靴の主は、パリでフリーペーパーの編集をする日本人女性、アオイ(中山美穂)だった。パスポートを踏んだために、ヒールが折れてしまったアオイの靴を、接着剤で直すセン。感謝したアオイは、困ったときのために自分の連絡先を渡す。スズメと連絡がとれないセンは、しかたなくアオイに電話をかけ、その夜、ふたりは食事をすることになる。話がはずみ、酔っぱらってしまったアオイを、自宅まで送り届けるセン。結局、ホテルに戻れなくなったセンはアオイの部屋に泊まってしまう。そのころスズメは、パリに住む恋人のカンゴ(綾野剛)を訪ね、久々の再会を果たすも、カンゴの態度はどこかぎこちない。センはカメラマンとしてアオイの取材にも同行し、パリを満喫していく。ヒールが壊れた靴のまま歩き、「新しい靴、買わなくちゃ」とつぶやくアオイを、センは優しく見つめる。やがてふたりは、誰にも言えなかった思いも打ち明け合うのだった。なぜひとりでパリに暮らしているのか。これからもカメラの仕事を続けるべきなのか。抱きしめ合うふたりの気持ちはひとつになっていく。このまま離れたくない…。