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ふしぎな岬の物語

CAPE NOSTALGIA

2014(平成26年)/10/11公開 117分 カラー ビスタ 映倫番号:119921 G
配給:東映 製作:「ふしぎな岬の物語」製作委員会

のどかな太陽と海に抱かれて、時代に流されることなく、どこか懐かしさの漂う岬村。その岬の先端で、ヒロイン悦子は長年、小さなカフェを営んできた。悦子のいれる、とびきりおいしいコーヒーと、和やかな語らいを楽しみに、店に集う人々との交流を通して、当たり前すぎて忘れてしまいがちな、世の中の不思議や人と人との絆が、なめらかに紡ぎ出されていく。映画女優として常に輝き続けている吉永小百合が『孤高のメス』や『八日目の蝉』など、数々の名作で観る者の心を震わせてきた成島出監督と共に、初めて企画も手がけた主演作。 日本映画界を牽引する二人が原作に選んだのは「津軽百年食堂」や「あなたへ」(高倉健主演映画の小説版)など、不器用に生きることを 優しく肯定してくれる、森沢明夫の小説「虹の岬の喫茶店」(幻冬舎文庫)。オムニバス形式でエピソードが連なる原作を脚本化するにあたり、白羽の矢が立っ たのは、成島監督と親交の深い脚本家、『孤高のメス』の加藤正人と『手紙』の安倍照雄。原作の温もりを引き継ぎながら、味わい深いドラマを作り上げた。

ふしぎな岬の物語
(C)2014「ふしぎな岬の物語」製作委員会

スタッフ

原作:
監督:
音楽:
撮影:
照明:
美術:
録音:
編集:
  • 主題歌:「望郷~ふしぎな岬の物語~」村治佳織
  • 挿入歌:「入っておいで この里に」ブラザーズ5

ストーリー

のどかな太陽と海に抱かれて、独特の時間が流れる岬村。その岬の先端で、静かに佇む「岬カフェ」。店主・柏木悦子の朝は、カフェの裏で何でも屋を営む甥の浩司と小舟で小島に出かけ、湧き清水を汲むことから始まる。島から帰ると、質素だが掃除の行き届いた店内を、摘んできたばかりの季節の野花で彩った。どこか懐かしさの漂うこのカフェで、何より人々を和ませるのは、注文を受けてから豆を挽き、ネルドリップで丁寧にいれた、心づくしのコーヒーだ。悦子の祈りを込めた一杯は、カフェに集う人たちを元気づけた。常連客に囲まれた、ささやかな生活を、悦子は愛していた。いくつになっても感情をコントロールできずに、たびたび問題を起こす浩司の純粋さを尊重し、いつも温かく微笑みかけた。よき理解者・悦子の存在は、浩司を安心させた。そんな二人のふれ合いをずっと支えてきた、常連客のタニさん。30年間という長いつき合いの中で、タニさんはひそかに悦子への想いを育んでいた。地元の秋祭りの日には、漁を営む徳さんの娘・みどりが、数年ぶりに帰郷した。素直になれない父娘にも、悦子はそっと寄り添った。小さなカフェには、常連客のほかにもさまざまな客が足を運んだ。東京から虹を追いかけて、父親と共にカフェにたどり着いた少女・希美。希美に魔女と呼ばれた悦子は、とっておきのユーモアで、母親を亡くしたショックでこわばった少女の心を優しく溶かした。 深夜のカフェに忍び込んだドロボーには、雀の涙ほどの売上金を率直に詫び、とびきりのコーヒーとトーストでもてなして、明け方までじっくりと語り合った。そんな悦子の深い愛情に満ちたカフェは、弱みを抱えた人たちの憩いの場になっていた。悦子をこの地へと導いたのは、今は亡き最愛の夫だった。スケッチ旅行で偶然訪れた岬で、美しい虹と出会った夫は、虹の絵を悦子に遺した。ひとりぼっちになった悦子は、虹をつかむような気持ちで、虹の岬に移り住んだのだった。みんなで喜びを持ち寄り、悲しみを分かち合う…そんな穏やかな日々がいつまでも続くことを願っていた岬村の人たちの人生に、荒波が押し寄せる。悦子への思慕に戸惑う浩司。会社の肩たたきで大阪へ転勤することになったタニさん。徳さんとの別れの時が近づき、積年の親不孝を悔いるみどり。そして悦子を見守ってきた虹の絵も、カフェからなくなってしまう。大切なものが次々と去ってゆき、悦子は再び寂しさに襲われる。さらに追い打ちをかけるように、岬カフェが炎に包まれて…。厳しい流転にのみこまれながら、岬村の人々は、苦しみの先に、どんな未来を見つけるのだろうか?

ふしぎな岬の物語
(C)2014「ふしぎな岬の物語」製作委員会

受賞歴

2014 モントリオール世界映画祭(審査員特別賞グランプリ・エキュメニカル審査員賞)日本アカデミー賞

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