2015(平成27年)/1/17公開 120分 シネマスコープ 映倫番号:119866 G
配給:東映 製作:「アゲイン」製作委員会
元高校球児が再び甲子園を目指す実在の大会<マスターズ甲子園>を舞台に描かれた映画『アゲイン28年目の甲子園』が完成した。原作は、ドラマ「とんび」(TBS/2013年)で日本中を感動の渦に包んだ、直木賞作家であり2005年よりマスターズ甲子園の応援団長もつとめている重松清の最新作「アゲイン」(集英社「小説すばる」連載)。再び夢を追う不器用な父親たちの物語だ。遠い過去の苦い青春の悔いを乗り越えていく映画『アゲイン28年目の甲子園』。人生に新たな一歩を踏み出す勇気をくれる、そんな傑作が日本映画界に誕生した。
青春なんて遠い昔の思い出。そう思っているあなたへ――元高校球児、坂町晴彦46歳。あの白球を追った日々は遠い昔。もはや仕事に張りはなく、離婚した妻が亡くなって以来、一人娘の沙奈美とも絶縁状態。そんなある日、坂町のもとに元チームメイト松川典夫の娘・美枝が訪ねてくる。坂町は彼女から、長年音信不通だった松川が去年の震災で死んだことを知らされる。彼女は別居していた父親の遺品の中に、坂町や元ピッチャーの高橋ら、チームメイト全員に宛てた27年分の年賀状の束を見つけ、なぜ毎年書きながらも出さずにいたのか、知りたいと願っていた。元高校球児が再び甲子園を目指す〈マスターズ甲子園〉のスタッフとして働く美枝は、坂町に大会への参加を持ち掛ける。予測がつかないことは敬遠する、いわゆるサビついたオヤジである坂町は「今さら」と断ったが、本当の理由はまた別にあった。坂町達が甲子園に行けなかった原因は美枝の父にあったのだ。28年前のある事件。それは美枝だけには話したくなかった。父親の思い出を追い求める美枝と接するうちに坂町は、娘・沙奈美とちゃんと向き合うことをせず、ずっと逃げてきたことに気付く。そして現実と折り合いをつけ、思い出を上手に諦めることで、自分自身を騙してきたことにも。「あの夏」に決着をつけなければ前へは進めない。坂町は人生のグラウンドへ走り出すことに決めた。28年間しまいこまれた一つの真実。「あの夏」を越えて今、夢の続きが始まる。