作品検索

作品紹介

悼む人

2015(平成27年)/2/14公開 138分 カラー シネマスコープ 映倫番号:120053 R15+
配給:東映 製作:「悼む人」製作委員会

天童荒太が7年の歳月を費やし、魂を振り絞るように書き上げ、2008年第140回直木賞を受賞し、70万部を超えるベストセラーとなった「悼む人」(文藝春秋刊)が堤幸彦の手により映画化。11都市5万人の魂を震わせた2012年の舞台に続き、脚本・大森寿美男との最強タッグでスクリーンに至高の愛を届ける。実力演技派の豪華俳優陣による火を噴くような極限の演技と、堤幸彦が生み出した圧倒的な映像世界により、静人=「悼む人」と、彼を巡る人々が織りなす生と死、愛と憎しみ、罪と許しのドラマの果てに予想もつかない感動が待ち受ける。日本映画の歴史に刻まれる瞬間を決して見逃してはいけない。

悼む人
(C)2015「悼む人」製作委員会/天童荒太

ストーリー

地に躓き、右手を頭上に挙げて空中に漂う何かを捕らえるように自分の胸へ運ぶ。左手を地面すれすれに下ろして大地の息吹をすくうかのように胸へ運び、右手の上に重ねる。目を閉じて、何かを唱えるように唇を動かす青年…。週刊誌記者・蒔野抗太郎が出逢った坂築静人は、死者を「悼む」ために全国を放浪している男だった。蒔野は残忍な殺人や男女の愛憎がらみの事件の記事を得意としていることから、エログロの蒔野、「エグノ」と陰で呼ばれていた。蒔野が個人的に開設したサイトには、醜悪で、卑猥で、人はかくも非道になれるのかという加害・被害の実体験の書き込みが全国から寄せられていた。人の善意を信じられぬ、猜疑心の塊のような蒔野は、静人の不可解な行動=「悼み」に疑念を持つ。「そんなことをして一体何になるというのか?」蒔野は静人の化けの皮を剥ぐべく、彼の身辺を調べはじめる…。その頃、静人の母・坂築巡子は末期の胃癌を患っていた。病院での治療も効果があがらず 横浜の自宅でターミナルケアを受けながら死を迎える決意をする。幼い頃から対人恐怖の傾向があり、他人の顔を見て話すのが難しいというハンデを背負う巡子の夫・鷹彦は会社を辞めて巡子の介護に専念する。二人の娘で静人の妹・美汐も、母の病を知り実家に戻った。やがて恋人の子供を身籠もっていることが判明するが、その恋人とは別れたという。そこには、静人の存在が影を落としていた…。家庭内暴力を受けた女性をかくまい「仏様の生まれ変わり」と言われた夫・甲水朔也を殺害し、4年の刑期を終えて出獄した奈義倖世。身寄りはなく、行く宛もない。おまけに自らが手にかけた夫が亡霊のごとき存在と化し、肩口から語りかけてくるのだ。途方に暮れた倖世は二度と足を踏み入れぬつもりだった東北の町を訪ね、殺害現場で朔也を「悼む」静人と出会う。動揺する倖世に、静人は問いかける。「この方は生前、誰を愛し、誰に愛されたでしょうか?誰かに感謝されたことはあったでしょうか?」静人の真意をいぶかる倖世は、夫を殺した事実を告げぬまま、静人と行動を共にする……。

悼む人
(C)2015「悼む人」製作委員会/天童荒太
ページの先頭へもどる
一般社団法人 日本映画製作者連盟・会員(4社)