2016(平成28年)/2/27公開 102分 カラー ビスタ 映倫番号:120432 PG12
配給:東映 製作:映画「女が眠る時」製作委員会
妻の綾とバカンスを過ごすため、美しい海辺に佇むリゾートホテルに訪れた小説家の健二は、プールサイドで初老の男が、若く美しい女の身体に表情ひとつ変えず、細部に至るまで丹念に日焼け止めクリームを塗っている様子に目を奪われる。異様な雰囲気を醸し出す親子ほど年の離れた2人のことを時間が経つにつれ、脳裏から離れなくなっていく。健二の執着は、彼らの姿を追い求め、次第には部屋を覗くまでに…。ほんの好奇心から始まった行為は常軌を逸した行動へと変化していき、予測し得なかった衝撃の結末へと突き進んでいく。本作のメガホンを取るのは巨匠ウェイン・ワン。スペイン人作家ハヴィア・マリアスによる短編小説「WHILE THE WOMAN ARE SLEEPING」を日本で撮影することを自ら提案、ウェイン・ワンにとって初となる日本映画の監督に挑む。ワン監督のもとには、自作以外での映画主演は実に12年ぶりとなるビートたけしをはじめ西島秀俊、忽那汐里、小山田サユリら、日本を代表する豪華な演技派俳優陣が集結。若く美しい女性と男との異常な愛、変わっていく妻との関係、覗きへの罪悪感と止まらない好奇心、エスカレートしていく衝動…、郊外のリゾートホテルという閉鎖的な場所で次第に自分自身を見失っていく男。「狂っているのは、自分なのか。それとも<目の前の現実>なのか」女への執着が狂気へと変わっていく男の姿を、背徳的で官能的な映像美で描く、深淵なる魅惑のミステリー。
作家の清水健二は1週間の休暇を取り、妻の綾とともに郊外のリゾートホテルを訪れる。初めて書いた小説がヒットしたもののスランプに陥り、今後就職することが決まっていた健二は、妻との関係も倦怠期を迎え、無気力な時間を過ごしていた。滞在初日、彼はプールサイドで異様な存在感を放つ、初老の男・佐原と若く美しい女・美樹のカップルに目を奪われる。その日以来、健二はホテル内で彼らを見かけるたびに後をつけ、部屋を覗き見るようになっていく。部屋には、美樹の体の産毛をカミソリで丁寧にそり、毎晩彼女が眠る姿を撮影し続ける佐原の姿があった。自ら佐原に近づいた健二は、佐原と初めて言葉を交わしたものの、美樹が眠る動画を見せながら彼が放った「あの子の最後の日を記録しようと思って」という言葉に底知れない恐怖を覚える。危険を感じながらも好奇心をさらに掻き立てられた健二の行動は次第に常軌を逸し、部屋の中に忍び込むという、ストーカー行為にまで及んでいく。ある日、2人を追ううちにたどり着いた居酒屋で、健二は怪しげな雰囲気を放つ店主により佐原と美樹の過去を知り驚愕する。その頃、佐原の美樹に対する執着は健二の想像をはるかに超える狂気へと向かっていた。