2017(平成29年)/6/17公開 133分 カラー シネスコ 映倫番号:120730 G
配給:東映 製作:「TAP」フィルムパートナーズ
俳優水谷豊が23歳のときに思い描いたストーリーが元になっている本作品は、水谷の主演であり初監督作。
水谷が演じるのは栄光も挫折も嘗めつくした伝説のダンサー。トップダンサーを夢見る現代の若者たちを、時にシビアなレッスンで鍛え、時には慈しみ見守りながら極みへと引き上げていく。
若きダンサーには本物のダンサーたちをキャスティングし、ハイライトは24分にもおよぶ圧巻のタップダンスシーン。
「ドキュメント」と「ショウ」と「映画」を感動でつないだ、まだ誰も見たことのない「世界」へ、今、観客を誘う。
ステージに置かれたドラム缶の上で、若い男が激しいタップを踏んでいる。男は宙高くジャンプするも着地に失敗。これが天才タップダンサー・渡真二郎の、ラスト・ショウとなった。
それから約30年。足を引きずり、酒におぼれた渡は、天才という名をほしいままにした栄光のダンサーとはかけ離れた生活を送っていた。そんな渡のもとへ、旧知の劇場支配人・毛利から「最後のショーを演出してほしい」という相談を持ちかけられる。
気乗りのしない渡の足を引き止めたのはオーディションでのMAKOTOの踏むプリミティブなパワーに溢れたリズム。渡は過去の栄光に浸るのではなく、これからトップに昇り詰めようという夢にやみくもな情熱を注ぐ若手ダンサーとのパワフルで自由な舞台制作に意欲を燃やす。気迫に充ちた渡の特訓に耐え、若きダンサーたちは恋人や家族、人生さえも投げ打つ覚悟でひたすらタップを踏み続ける。究極の師弟関係はそれぞれに苦悩を抱えた若者たちの人生にも変化をもたらしていく。
一方、渡は自分の体験を次の世代へ継いでいく指導者としての夢を見出しはじめていた。ショウに懸ける想いをひとつに、渡たちはまだ誰も見たことのない世界へと挑もうとしていた。
幾多のトラブルを乗り越えて遂に迎えた最後の夜。不世出のアーティスト・渡がステージを見守る中、「ザ・ラスト・ショウ」の幕が上がる。