2019(平成31年)/4/12公開 93分 カラー ビスタ 映倫番号:121544 G
配給:東映 製作:「多十郎殉愛記」製作委員会
その男は刀を抜いた。その女は男を愛した。夢も希望もなく、大義もない、ただひたすらに強く、毎日を独り生き抜くその男を女は、大きな心で包み込んだ。名匠・中島貞夫監督が満を持して送り出す最新作、映画「多十郎殉愛記」は京都の映画界が育んだ「ちゃんばら」時代劇の復活である。
時は幕末。京都の貧乏長屋に住む清川多十郎は、ワケありの小料理屋女将・おとよに何かと世話を焼かれながら、怠惰に日々を過ごしていた。元々は長州で名うての侍だったが、親が残した借金から逃げるために流行りの脱藩浪人となった今は、己の鬼神のような剣の強さを持て余し、大義も夢もなく無為に日々を過ごしている。一途なおとよの想いに気付きながらも、頑なに孤独であろうとする多十郎。その頃、新撰組の勢いに押されている京都見廻組は面目を保つため、取り締まりを強めていた。ちょっとした喧嘩から恨みを抱いていた岡っ引きの密告により、多十郎の存在を見廻組に知られてしまう。京都を不穏な空気が覆う中、勤皇を胸に腹違いの弟・数馬がやってくる。故郷へ帰るよう説得する多十郎と、自堕落に生きる兄を責める数馬。そこへ見廻組が急襲し、数馬は目を負傷する。おとよに数馬を託し、二人が無事に京を離れるまで囮として町中を逃げ回り、追う役人を斬って斬って斬りまくる!多十郎にとって人生最初で最後の、命を懸けた戦いが始まった。