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お日柄もよくご愁傷さま(1996年公開)
中年サラリーマンを主人公にリストラや娘の恋愛、妻をなくした祖父のノスタルジックな思い出、中年夫婦の愛情などを織り交ぜながら『冠婚葬祭』と『誕生』、そして父親を送る夫婦の気持ちを静かに描いた『家族』のドラマ。
主人公の和夫役には、本作が映画初主演となった橋爪功をはじめ、吉行和子、松村達雄、根岸季衣、古尾谷雅人、布施博、伊藤かずえ、西岡徳馬らの演技派が脇を固めている。
脚本は、数多くのテレビドラマのヒット作を執筆した布勢博一が映画の脚本に初挑戦。監督は、原案も手がけた和泉聖治が新境地ともいえる本作品に渾身の力を振るっている。
結婚(1993年公開)
同じ「結婚」というタイトルで、三つの結婚をめぐる物語を三人の監督が手掛けるドラマ。有名女優との結婚を企む売れない役者と高校時代の後輩との結婚騒動をスラップスティック調で描く〔陣内・原田両家篇〕は「夢二」の鈴木清順、北海道の寒村で、一つの約束を待つ女と彼女を慕う男との愛を描く〔佐藤・名取両家篇〕は「四万十川」の恩地日出夫、青年実業家とフツーのOLとの恋の駆け引きを描く〔中井・鷲尾両家篇〕は「アイドルを探せ」の長尾啓司が監督した。セシール第一回製作作品。
泥の河(1981年公開)
「大地の子守唄」「曽根崎心中」についで木村元保が製作した第3作。原作は芥川賞作家・宮本輝の処女作であり、第13回太宰治賞受賞作品である。本作が初監督作品となる小栗康平は、モノクローム、スタンダード画面という古典的な手法で「生」のかたちを今、逆上せずにとらえることの困難さに挑んで、戦後生まれのある世代の原質を探りあてようとしている。舞台は戦後の混乱期を経て朝鮮動乱の新特需を足場に高度経済成長へと向う、いわばそのとば口にあった昭和31年の大阪安治川河口。物語は、河っぷちの食堂の9歳になる少年と、その対岸にある日つながれた廓舟(くるわぶね)の姉弟とのつかの間の交流と別れを描きながら、戦争と終戦を経て人生を決めた大人たちの移ろいゆく傷とためらい、そこにつらなる自分の出生と成長を純粋な少年のまなざしで映し出している。