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粋な風来坊

1946(昭和21年)/2/28公開     
配給:松竹 製作:松竹株式会社

マキノ正博演出作品。

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ストーリー

街道一の親分と謳われた昔の夢を追う次郎長をへこます為に、文明開化のザンギリ頭で清水港に訪れた二人の青年がいた。それは徳川三百年の天下が崩壊し、明治維新の黎明を告げる江戸の佐藤塾で学問をした新知識、小池文之進と他の一人は次郎長の息子で永く勘当を受けている清太郎である。酒樽を並べてその豪勢さを誇った清水一家も時代の流れには勝てず、男優りの次郎長の娘お春は次郎長に火の車の家計を隠し、空樽を並べて虚勢を張る有り様で、今日も津向文吉親分の久しぶりの訪れに母の遺品を売って酒代とする苦しさだった。そして兄の清太郎がいてくれたらと嘆いていた。その清太郎が帰って来たが、次郎長は容易に敷居をまたぐことを許そうとはしなかったが、文之進の三段論法にする鮮やかな弁舌に圧倒され結局ずるずるベッタリに家に入れ清水一家の相続者として親分衆に盛大な披露を行った。その酒席で文之進はやくざの世界を徹底的に攻撃し一同の怒りを買った。清水一家の売り出しの若者、源太郎は街で文之進を襲ったが、文之進の柔術に投げ飛ばされる。お春は清水一家殊に父に楯つく文之進を秘かに訪ねた。文之進は清水一家を清太郎と共に百姓にさせるために来たと告げ、時代に目醒めやくざ稼業の精算を説いた。富士の裾野を開墾しようという清太郎、お春の申し出に「百姓なぞとはもっての外」とひどく怒った次郎長も、最近の家の内情を知り、又かすり鞘で食う根無し草と自分の子に言われ、さすがに時の流れに目覚め、若者の申し出を諒解する。清水一家の開墾計画が知れ渡ると各地の親分衆から激励と祝物がどんどん舞い込む有り様。文之進は更に府中の伏谷判事と図り徴役囚人を借り受け、己が家の下男だった甚兵衛を農作指導者として開墾事業をはじめた。

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