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作品紹介

女優須磨子の恋

1947(昭和22年)/8/17公開     
配給:松竹 製作:松竹株式会社

長田秀雄の原作を、古くから溝口健二とコンビである依田義賢が脚色し、溝口健二が監督する。撮影は三木滋人。田中絹代が主演し、演劇畑出身の俳優が顔を並べる異色あるキャスト

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スタッフ

原作:
監督:
脚本:
音楽:
撮影:

ストーリー

坪内逍遥とその愛弟子島村抱月は、当時早稲田文学の誇りとして学生たちに尊敬されていた。ことに抱月の講義はいつも学生達の待望の眼に迎えられ、また感激の拍手に送られた。そのころ、逍遥を中心とした演劇研究所ではやがて落成する試演場舞台開きの演物について検討されていたが、逍遥は抱月の「人形の家」を推薦した。しかし抱月はノラの適役が所員にいないというので心決まらず、「一考する」とて帰宅した。その途中、抱月は所員松井須磨子の夫婦喧嘩に出会った。聞けば成程須磨子の主張は正しいものだ。抱月は彼女の身上を聞いて思わず手を打った。これだ、ノラの役を演るのは松井須磨子をおいて他にない。彼女にとっては「人形の家」は芝居ではない。今夫と別れた彼女自身が既に本当のノラである。彼女こそノラを地で行く女優だ「人形の家」をやろう。抱月の心は決まった。翌日から舞台稽古も始まり準備は順調に進んだ。しかし外では一流の人物である抱月も家へ帰れば養子の身だった。豊かな島村家では妻いち子の権力がどれほど大きいものだったか。彼の進歩的な思想は家庭では適用しなかった。彼の自由は常に家風の力に打ちひしがれたのだ。彼は養子という宿命的な弱味にあえぐチッポケな人間だった。試演会の日松井須磨子の熱演で「人形の家」は好評を博した。感激して抱き合う抱月と須磨子、二人の間には互いに尊敬する慕情が本能的に取り交わされた。須磨子はノラの気持ちを理解する抱月を慕い、抱月は自由に生き得る力強い人間須磨子を慕うのだった。

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受賞歴

毎日映画コンクール女優演技賞(田中絹代)

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