1949(昭和24年)/3/29公開
配給:松竹 製作:松竹株式会社
小倉武志の製作。サトウハチローの原作を津路嘉郎が脚色、川島雄三の第二回作品。清水金一、堺駿二、勅使河原幸子らの他に高杉妙子が応援出演。
昔、昔そのまた昔のことです。今や萬天原は諸々の神を集めて、力と技の競技会の真っ最中でした。ベテラン宇佐義金八の大兄は新鋭賀目殿六を尻目に自信満々、あわやゴールインと思われた瞬間、根が女好きでオッチョコチョイの金八の大兄、声援の姫達のスタンドプレーが過ぎて駿六の大兄に追い抜かれ、それを恥じてその場から姿を消してしまった。それから幾千年かの歳月は流れて・・・今や世を挙げてスポーツ狂時代。賀目家の子孫、駿六は万能選手として君臨し、彼の経営するスポーツ店は大変な人気を呼んでいた。駿六の妹自由里は体育学校を出て、人体研究の権威森羅万象博士の研究室に勤めていたが、傲慢な兄の態度に、いつも反感をいだいていた。時も時北アルプスの山中から現れた金八という山男、女スポーツ記者弓子の世話で入京するが、この金八の快速をだしに一もうけしようとたくらんだのが弓子の新聞社の社長。だが、祖先の金八大兄に比し、気の弱い金八、あまりの人出にのまれて、駿六にあっさり負けてしまった。負けた金八はそのまま上天して祖先に謝ったが、金八大兄その不甲斐無さに、今度は自分が出場しようとするが、奥方に怒られてしょげてしまう。ようやく目を盗んで下界した大兄、今度は自転車競技で駿六と対戦。あわや勝とうとしたが、昔と同じく女にデレつき出した…。