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花のおもかげ

1950(昭和25年)/11/3公開     
配給:松竹 製作:松竹株式会社

監督家城巳代治の久しぶりの演出で、脚本は松竹大船の脚本部の山内久と馬場当の共同による。撮影は西川亨が担当。製作は小出孝。出演は月丘夢路と津島恵子。

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スタッフ

監督:
脚本:
音楽:
撮影:

ストーリー

作曲家志望の若いピアニスト真船清は、親友の画家小此木龍太と一緒に下宿生活をして、働きながら勉強を続けていた。江原雪子はバレリーナとして将来を嘱望された清純な乙女だったが、秘かに清を想っていた。そしてその父と共に、清にバレー曲を作曲してくれるように頼んでいた。清は龍太の紹介で、ノンキ座というレヴュー劇場へピアノのアルバイトに行って、そこで自分にとっては忘れられない女である宮田藤子の悲しい姿を見た。十年昔、少年清は、故郷の、美しい牧場と静かな森に囲まれた田舎町で、藤子からピアノの手ほどきを受けたのだった。牛乳配達をしながら将来の夢をピアノに托していた清にとって、藤子は単なる先生以上に崇高な慕しい存在になっていたが、藤子の上京で清の想いは無惨に打ち破られてしまったのだった。いま、戦争で夫を失い、芸術への夢を忘れ、唯生きることで精一杯な藤子の姿を見たとき、清の心は、藤子をいたわりたい心で一杯になった。ノンキ座の解散で生活の道を失った藤子は旧座主の思いのままになろうとさえ思うのだったが、ひたむきな清の情熱をふと思い浮べるとそれも出来なかった。清はついに自分の持っていた唯一の収入の道である舞踏研究所のピアノ伴奏の仕事を藤子に譲って自分は故郷の牧場へ帰ってバレー曲の作曲に専念することにした…。

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