1951(昭和26年)/8/3公開
配給:松竹 製作:松竹株式会社
製作は大町龍夫、脚本は山内久、馬場当の共同、監督は佐々木康、撮影は長岡博之。出演者は佐野周二、角梨枝子、桂木洋子、それに新田實、村田知英子、有島一郎、大坂志郎、桜むつ子、三井弘次、伊達信、山路義人。
結婚して三年、平穏な生活を妻京子と共に送って来た安西宇助は、死んだ戦友の妹でタイピストの二宮静子が理由なくクビになったのを怒り、人事課長を殴り飛ばしたので同様にクビになった。宇助夫妻は七世帯もが共同生活をしている荒牧邸の一室を借りていたのだが、責任上、静子を自分の所へ引き取らねばならない羽目になった。京子は小川銀子の世話でマネキンガールになったが、性来の美貌の為たちまち人気者となり、収入も良く宇助を愛する彼女は留守中静子と共にいる夫を疑おうともせず幸福であった。しかしある日、マネキン仲間から静子が以前妾のような生活をしていたと聞くや悲憤やる方なく、宇助の面前で居合せていた黒田和夫には目もくれず、静子の醜聞をブチまけた。ところが黒田は静子と結婚したいと真面目な相談に来ていたのであり、宇助は京子の軽率な言動を強くなじった。京子は驚いたが、もつれた気持ちは既に取り返しがつかず、その夜宇助夫婦は離婚を宣言した。一ヶ月後、荒牧邸で黒田と静子の結婚式と宇助京子の離婚式が同時に行われた。しかし京子は、幸福そうな黒田と静子の姿を見るにつけ、地方に職を得て去って行った宇助への思慕の情を押え切れず、彼の後を追うのであった。