1952(昭和27年)/1/5公開
配給:松竹 製作:松竹株式会社
製作は小倉武志、脚本は馬場当に山内久が協力、監督は瑞穂春海。撮影は布戸章。主な出演は高峰三枝子、若原雅夫と小林トシ子、佐田啓二のほか、吉川満子、細川俊夫、文学座の龍岡晋など。
三田村恭介の長女慶子は狂言自殺二回、家出未遂三回の手に負えない変わり者で、弟五郎も酒とダンスとプロ野球にうつつをぬかすドラ息子だった。次女の葉子だけはチャッカリ娘だったが、原一平という恋人があった。三人の母信乃は見栄っぱりのヒステリーで原一平の如き財産のない男はと反対するが、慶子の取りなしで交際を許されることになる。一平の下宿先海江田教授の夫人は慶子の旧師で、そんなことから慶子は一平の人柄を知り、生まれて初めて恋を知るが妹の恋人ではあきらめるしかなかった。その慶子の尽力でようやく一平の恋を結ぶことになるが、結婚後四国の山地へダム工事の技師として赴任するという一平に、信乃と葉子は恭介の会社へ勤めることを条件に出してこの結婚話は決裂してしまった。慶子は一平のためなら、四国へでもどこへでもと、荷物をまとめ、四回目の、最後の家出を決行するのだった。