1953(昭和28年)/7/1公開
配給:松竹 製作:松竹株式会社
ナチュラル・ヴィジョン・システムによる立体映画の松竹における第一作である。松竹ナチュラル・ヴィジョンは一台のカメラによって撮影される。田岡敬一が製作し、柳沢類寿の脚本から田畠恒男が監督した。撮影は小杉正雄、音楽は万城目正の担当。出演者は川喜多雄二・三橋達也・大坂志郎に、藤代鮎子など。
毎朝新聞の社会部記者西条と写真部員渡辺は、銀行を襲ったピストル強盗事件の取材に現場にいった帰り途中、気分転換にキャバレーに寄ったが、キャバレーの女照子は西条のもっていた全国学生射撃大会のメダルに異常な関心を示した。キャバレーを出た途端、西条は飛び出してきた自動車にはねられ、例のメダルを失った。実はそれと同じメダルが銀行の犯行現場に残されてあり、犯人は西条の旧友でこれも射撃の名手だった宮野である。照子は彼の情婦だった。彼らはアリバイをつくるために西条のメダルを奪ったのであった。それを知った西条は単身一味の本拠にでかけ、旧友宮野に自首をすすめたが宮野はかえって西条を射殺しようとした。その時渡辺の知らせを受けた警官隊がかけつけ、悪の一党は掃蕩された。