1954(昭和29年)/2/10公開
配給:松竹(受託配給) 製作:新芸プロ
八住利雄が脚色、内出好吉が監督に当たった。美空ひばり、中村錦之助(映画初出演)、嵯峨美智子、花柳小菊などが出演。
慶長十五年。朝廷より徳川家に賜わった珍鳥紅鵯を曲者のために逃がした二人の武士は切腹を命ぜられる。しかし彼らの子供玉水早苗、筧燿之助には三ケ月以内に鵯を捕えた者の父を許すとの沙汰があった。二人に同情した投げ釘芸人お銀は、道化役蛸八と共に早苗を追い、鵯が黄金百枚の賞金つきと知った傀儡師梅市、楽売り玄斎も、鵯探しに出かける。叔父斯波丹波の密命で鵯をにがした当の曲者為永陣太郎は、早苗を千仭の谷底に突落し、一方燿太郎を襲って早苗の仕業と見せかける。二人を反目させようというのである。谷底で早苗を救ったお銀は、彼女が自分の実の妹であることを知るが、旅芸人の身上をはばかって名乗らない。鵯は梅市、玄斎、そして早苗の手を転々するが、見知らぬせむし男に奪われた。せむし男はその後鳥絵師の娘美絵をさらうが、彼女は燿之助に救われる。二人の間に愛が芽生えた。その二人を天狗の面をつけた陣太郎一味が襲うが、来合せた早苗、お銀らの活躍で陣太郎の仮面を剥ぐ。しかしお銀は陣太郎に射たれて息絶えてしまう…。