1954(昭和29年)/4/14公開
配給:松竹 製作:松竹株式会社
“週刊サンケイ”に連載された宇井無愁の原作を長瀬喜伴が脚色し、堀内真直が監督している。出演者は三橋達也、川喜多雄二、草笛光子、三井弘次、小林トシ子、日守新一など。
パトロール・カー二七号車、運転係は串勝男警邏、無線連絡係は夏原貞介警邏である。世話好きな串は夏原と恋中の婦警上月一子に下宿の世話をしたり、ふと知り合った少女昭子とその母でおでん屋の文江の面倒をみてやっていた。ある日二人は銀行強盗の共犯者を取り逃したが、実はそれは文江の祖父で前科者の勇吉だった。勇吉は真っ当な生活をしようと努力はしているのだが、世間は仲々非情で思う様には居かない。夏原の下宿の犬猫病院福井喜代が原に色目長を使うのがもとで、一子は怒って大阪の兄の所へ行ってしまった。その留守に夏原はデパート泥棒を追って負傷したので、串は大阪に一子を訪ね、誤解の晴れた一子は上京して夏原と結ばれた。折も折、暴風警報である。文江や昭子のことを心配した串と夏原はパトロール・カーで文江のおでん屋を訪れたが、二人がそこで発見したのは、かつての怪漢勇吉だった。勇吉はすすんで車に乗った。全てを察知してうなだれる文江。三人を乗せたパトロール・カー二七号車は風雪をついて走りつづけた。