1954(昭和29年)/4/27公開
配給:松竹 製作:松竹株式会社
スタッフ、キャストとも第二部とほぼ同じであるが、スタッフでは新たに録音を妹尾芳三郎が担当し、キャストでは三橋達也、紙京子、大坂志郎などが新たに登場。
勝則からの同居請求によって北海道から東京へ帰った真知子は、綾の許に身を寄せて、勝則との離婚調停を申し出たが、勝則が春樹を裁判所に訴えている事を知って、当分永橋の保護の下に春樹とは会わない条件で、告訴を取り下げてもらい、氷橋の計いで九州雲仙に行き、ホテルの事務員として働く事になった。ある日春樹の務めている女性評論社へ勝則が現れ、真知子が春樹以外の男と結婚するのなら離婚してもいいと云った。だが真知子には春樹以外の男と結婚する意志はなかった。夜の女から更生して果物屋を営む梢が、子供の怪我で知り合った医師野島を愛し始めたのも、丁度その頃の事であった。雲仙では真知子がホテルの客副島に求婚されていたが、春樹の存在を知った副島は表向きだけ僕と結婚するという事で勝則から離婚の承諾を得てもいいと道化役を買って出た。急にヨーロッパへ発つ事になった春樹が勝則を訪れた時、真知子と結婚するという副島からの便りを見せられた。春樹は、真知子がこの結婚によって幸福になれるとしたら、祝福したいと思った。その頃勝則は次官の娘美子と近々結婚する事になっていた。その美子から結婚後はお母様とは別居したいと云われた徳枝は、始めて真知子の優しさに気づき、真知子を迎える為に雲仙へ向かったが、途中急性肺炎を起こし、真知子の看護を受ける身となった。折も折、ヨーロッパへ発つ春樹が真知子と逢う為にやって来る。しかしその幸福も束の間、春樹は去って行った…。