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あこがれ

1955(昭和30年)/10/18公開     
配給:松竹 製作:松竹株式会社

ある商店街に働く若い男女の中に起こった一つの悲劇を中心に青年達の夢と恋と友情を描く。松山善三の脚本を中村登が監督、生方敏夫が撮影を担当した。主な出演者は田村高廣、野村浩三、田浦正巳、野添ひとみ、中川弘子など。

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スタッフ

監督:
脚本:
音楽:
撮影:

ストーリー

東京は下町の、とある商店街。足の不自由な小山寿夫の印鑑店、次がすこし不良なマダムのいる美容院“ホープ”、その隣がパン屋兼喫茶店の“ブルドッグ”で経営者は闇成金のジョージ金山だが、身持ちのよくない北村が責任者格、バーテンダーは真面目な真木、販売係は疋田、ウェイトレスはおしゃまなトンちゃんという顔ぶれ、その先が榎本ラジオ店で光二という息子がいる。“ブルドッグ”の筋むかいのそば屋には大学生の一次郎と妹雪子がいる。新しく“ブルドッグ”に雇われた、どこか暗いかげのある矢田明子に真木は心を惹かれた。印鑑店の寿夫は真木と親友だ。学生時代自動車にはねられてから頑なになっていた彼の心に明るい灯をともしたのは、このごろ店先の停留所で毎朝バスを待つ美しい女性だった。明子がPXの横流しで刑務所に送られた父なきあと、弟三人を養っていると聞いて、真木には一層いとおしく思えてならない。二人の仲を嫉妬した北村は真木を窃盗の汚名で解雇させた。その頃、父の保釈金のため、明子は心ならずもある財産家との結婚を決心した。やがて、バスの女性も嫁にいって、寿夫の片恋も悲しく終わった。ある日、明子は北村のために重傷を負うが、うわ言に真木の名を呼びつづけて死んだ。校庭で真木を寿夫が慰めた。ようやく涙を拭った真木と、生きることの尊さを改めて知った寿夫の耳に、なつかしい小学唱歌が流れてきた。

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