1956(昭和31年)/9/5公開
配給:松竹 製作:松竹株式会社
ラジオ東京連続放送劇(TV)、小説倶楽部連載の北条誠原作“明日の花びら”を映画化した青春明朗喜劇。脚色は柳井隆雄と中山隆三。番匠義彰が監督、布戸章が撮影を担当した。大木実、川喜多雄二、渡辺文雄が三羽烏を組んで主演するほか伴淳三郎、杉田弘子、紙京子、藤乃高子、中川姿子などが出演。
××新聞の新米記者竹田太郎は、かつて九重、斎藤と城南大学のラグビー三羽烏。久しぶりに喫茶店ロビンで、佐久間電気に勤める斎藤と、彼の恋人で社長令嬢の弓子に会う。二人が帰った後にやってきた西村千冬、千春の姉妹。竹田をラグビーの花形と知り千冬はまんざらでない。姉妹が我家に戻ると、履物店を営む昔気質の父親甚平は池内産業の顧問弁護士浅川と押問答中。浅川はデパート建設のため立退きを説くが甚平は応じない。看護婦の千冬は病院から池内産業の医務室に派遣されている。ところが社長金助の息子清一は太陽族のイカレポンチだが千冬に惚れこみ、折を見ては結婚を迫る。面倒臭くなった彼女は竹田を恋人と宣言し、清一は唖然。一方千春に惚れこんだ九重は彼女を獲得しようと猛運動。斎藤は、婿養子を希望する佐久間社長と対立、辞職を決意。清一は一策を案じ、仮病を使って千冬を太陽グループの溜り場の小料理屋に誘い出し彼女に迫る。千冬は危い処を竹田の手で救われる。西村履物店の立退期限は明後日、土建屋の竹松が凄んでいった後、甚平夫婦の表情は暗い。三羽烏は相談の上、斎藤が婿養子の件を受け入れることで抵当金二百万円を融通しようと計るが、打って変わった斎藤の態度に憤慨した社長の拒絶でオジャン。遂に店は強制執行に。