1957(昭和32年)/10/1公開
配給:松竹 製作:松竹株式会社
夏休みに田の草とりに出稼ぎに行ったタカ、太郎の母子と村のこどもたちの“うなぎとり”をめぐる田園情緒ゆたかな児童劇映画で、こどもにもおとなにも深い感銘を与える佳作。
タカは二十歳のとき、夫に戦死された未亡人である。太郎をつれて、峠を越え、村へ出稼ぎにきた。そこではこどもたちが、竹で編んだ細長い筒にみみずをいれ、はいったら出られないような仕掛けにして、うなぎをとる。 太郎も仲間にはいりたいが、タカに「わしらはここに働きにきたのだから、みんなと同じにできやせん」とさとされる。ところが或る夜、はげしい雨に川の水が増して、うなぎとりの筒が流されはしないかと心配したタカと太郎は、びしょぬれになって筒をあげてやった。そのおかげで、太郎も仲間にいれてもらえるようになった。 こうしてとったうなぎを金に代えて、一日、こどもたちが海水浴を楽しむ日、そのつきそいにタカが選ばれた。こどもたちは金を出しあって、タカに海水着を買ってやった、どうしても一緒に海にはいれというのだ。 村の草とりが終って、タカ親子が帰る日、こどもたちはいつまでもふたりを見送った。
アジア映画祭撮影賞(木塚誠一):アジア映画祭特別賞:アジア映画祭企画賞:ブルーリボン賞主演女優賞(望月優子)