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日日の背信

1958(昭和33年)/2/16公開     
配給:松竹 製作:松竹株式会社

毎日新聞に連載された丹羽文雄原作の映画化。脚色は斎藤良輔、監督は中村登、撮影は長岡博之がそれぞれ担当した。主演は佐田啓二、岡田茉莉子、伊藤雄之助。その他に桂木洋子、小林トシ子、内藤武敏など。

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ストーリー

病気がちな妻のほかに、地位も財力にもなにひとつ不自由のない、経済雑誌の壮年社長土居広之は、山の温泉宿でふと行きずりに屋代幾子という女を知った。幾子は銀座で宝石商を営む六角庫吉の妾であった。六角は前の女の子供を幾子に引きとらせるなど、その態度は横暴をきわめた。しかし不幸な境遇から六角に救われた幾子の忍従の生きかたに、広之は心惹かれるのであった。広之はせっせと幾子が六角からまかされている煙草屋に通った。また親友の大学教授岸や、バーのマダムに応援を頼んだが、幾子の態度は変わらなかった。六角は幾子と広之の交渉を知って、彼女を打擲した。幾子はそこで初めて自分の生活をたて直す心を決めた。そしていつしか幾子の心の中にしのびいっている広之に相談した。広之は快く幾子に職も家もみつけてやった。そして彼女への激情は押さえがたく、二人は伊香保へ旅行する約束をした。ところが当日妻の病状が悪化して、心ならずも幾子を裏切ってしまった。広之は幾子に恋しながらも妻を愛していた。広之にすべてをかけていた幾子は、彼に失望して再び六角のところにもどろうとしたが事情を知ってすべてを許すのだった。二人は激しい雨の夜結ばれた。広之の楽しい毎日は、妻への背信に悩む毎日でもあった。妻の死がとうとうやってきた。「やさしいよい奥さんを迎えるように」という妻の信頼しきった言葉をきいた広之は、生前の背信をつづけた自分の心を責めるのだった…。

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