1959(昭和34年)/10/4公開
配給:松竹 製作:松竹株式会社
下光軍二のエッセイを映画化したもので若尾徳平が脚色し、尾崎甫が監督したコメディ。撮影は坂本松雄が担当。
磯村真理は妙齢の美人弁護士である。男女の絶対的平等を目指して法律事務所に勤めている。弁護士仲間の河合省吾とは互いに憎からず思っているのだが、愛情の方は一向に進展せず、会えば議論ばかりしている。ある日、親友の寺尾喜美子が調停を頼んで来た。プロ写真家の夫節太郎がヌードモデルに熱を上げて困るというのである。節太郎は妥協を見せるどころか、モデルを家に同居させた。問題は家庭裁判所に持出された。次の仕事は売春容疑で挙げられた顔馴染みの芸者玉子を貰い下げに行くことだった。やっと貰い下げたところ、玉子は意外なことを真理に頼んだ。竹内という男からサービス代に貰った小切手が不渡りでだまされてしまったから、先方からその金を取ってくれというのである。競輪場で竹内に交渉したが、なかなかの狸で金を出さない。真理が詐偽罪で訴えるとおどすと、やっと一万円出した。一方寺尾には妾立退きの処分を強行して反省を促したつもりだったが、寺尾はモデルともども家を出てしまった。河合は真理の姪順子が押しかけ秘書に来て弱っていた。順子のお色気戦術が盛んな上に、玉子の口から真理が河合のことを何とも思っていないと聞かされたのでくさった。その頃寺尾と喜美子の離婚問題が再燃した。銀座のバーに勤めた喜美子は慰謝料をとって寺尾と別れる決心をしたが、モデルに逃げられた寺尾はヨリを戻したがった。ひょんなことから双方の弁護人として真理と河合は法廷で顔を合わせた…。