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伊沙子は夫の帰宅が遅いある夜、警察からの電話で、山西光一を署まで引き取りにでかけた。光一は戦災孤児で、以前知人に頼まれて就職の世話をしたことのある少年だった。その光一が、少年仲間の恐喝に加わって補導されたのだ。洋画輸入会社の社長で、仕事以外には冷淡な夫の洪介は、そんな妻の善意を不快がった。洪介の所へ出入りし、翻訳の仕事などを手伝っているりつ子は、ひそかに洪介を愛していた。光一は国際航業の給仕として働くようになった。ある時、エレベーターボーイの九平に、伊沙子に買って貰ったセーターを汚され、九平を殴った。九平が死んだと思った光一は、伊沙子の家に逃げ込んだ。そこで彼女は光一を旧知のピアノ教師・鳥巣の所へと預けた。翌日、国際航業へ赴き、副社長の吉松に面会した。りつ子は吉松の姪であった。伊沙子は鳥巣にドライブに誘われ、光一が世話になっている手前、辞退できなかった。鳥巣の伊沙子に対する態度に光一は怒りを感じていた。りつ子は見合いをした夜、洪介の会社へ向かった。伊沙子からの電話に応待したりつ子の声に、伊沙子は電話を切った。彼女は家を飛び出し、光一の所へ行った。光一は、芝の増上寺の境内で、この前の相手と決闘するという。伊沙子は鳥巣を呼び出し、現場に赴いた。そして乱闘にまきこまれ、怪我をしてしまい新聞に取り上げられてしまう・・・。