1961(昭和36年)/6/21公開
配給:松竹 製作:松竹株式会社
佐野洋の原作を、野村芳太郎と山田洋次が共同で脚色、野村芳太郎が監督した喜劇。川又昂が撮影を担当した。
ノーブル化粧品のセールスマン泰二は、恋人の登美江との結婚資金に悩んでいた。列車の中で、筋向いの席に座った中年の男とBG風の女の寄り添った寝姿を、いたずら心からカメラに収めた。その男は、偶然にも登美江の勤める官庁の課長相沢であった。登美江は、子供が出来たから早く式を挙げてほしいという。相沢の許に例の写真が送られてきた。電話がかかり、写真を買ってくれと要求した。もちろん泰二である。電話をかけた後、泰二は相沢家を訪れた。常子夫人に相沢らしい人物の浮気話をし、女は妊娠し処置に困っていると話した。常子夫人は夫の身辺をさぐろうと秘書の登美江を食事に誘った。登美江が吐気を催したので、彼女を夫の愛人と勘ちがいした。泰二は、相沢に指定の喫茶店の私書箱に五万円入れておくよう電話した。相沢は弁護士の森原を介して金を渡したが、森原は金を着服、しばらく待ってくれという紙片を私書箱に入れた。常子夫人が泰二のアパートを訪れた。登美江のお腹の子を夫の仕業と思って二十万円を出して解決を頼んできたのだ。その夜、相沢家ではハデな夫婦喧嘩が起こった。その結果、登美江が相沢の女でないことを知り、二十万円を取り戻してほしいと、夫人は相沢に頼んだ。森原が泰二をおどし、ネガと二十万円を持ち去った。結局、相沢は泰二と登美江の仲人を引受け、泰二は相沢の浮気を口外しない約束で事は解決した・・・。