1962(昭和37年)/3/3公開
配給:松竹 製作:松竹株式会社
愛弟子大槻義一の監督昇進を祝して、木下恵介が自らの原作を脚色してそのスタートを飾った純愛もの。撮影は成島東一郎が担当している。
乙丸音也は新橋にレストランを持っている。彼は中学卒業の直前、九州から上京して苦労を重ね、終戦後、妻の文枝と新橋の駅前で握り飯を売ったのが始まりで、ここまできた。音也は30年も別れていた不幸な母ふくに、楽な暮らしをさせたいと思い、引き取ることにした。音也夫婦には光太郎と保という二人の息子がいる。そして、運転手の八木が毎朝通ってくる。ふくが上京した日、お手伝いさんとして住み込むことになったふみ子が、母のはつに連れられてきた。ふくとふみ子と八木はすぐ親しくなったが、文枝はふくが好きになれない。ある日、口やかまし