1962(昭和37年)/7/29公開
配給:松竹 製作:松竹株式会社
有馬頼義原作「三人の息子」より白坂依志夫が脚色、篠田正浩が監督した山岳ドラマ。撮影を小杉正雄が担当している。
財務省に勤める広岡栄城には三人の息子があった。長男の省一は冬山の単独登山で遭難した。次男の進吾は東大コースを歩み商事会社に勤めていた。三男の栄介は東大をめざして猛勉強の最中であった。栄城は妻たかとの結婚を押し切ったため出世がおくれたと思いこんでいる男である。大学の同期の高橋は局次長の娘を妻にして、今では財務省の次官候補にまであげられていた。栄城は自分が毎日味わう屈辱感を、息子達にはさせまいと、出世主義を息子達に押しつけていた。省一には、婚約者として高橋の娘美沙が決まっていたが、省一が遭難したため、栄城は次