1963(昭和38年)/1/27公開
配給:松竹 製作:松竹株式会社
オール読物連載松本清張原作の同名小説の映画化で、小国英雄が脚色、井上和男が監督した異色時代劇。撮影は堂脇博が担当している。
享和2年、江戸の無宿人62名が同心占部小十郎の護送で佐渡へ送られた。道中、川越無宿長次郎のように佐渡を前にして死ぬ者も出たが、佐渡での労役はそれにもまして辛いもので、金山の水替仕事はまさにこの世の地獄だった。やがて、彼等と前後して新佐渡奉行横内主膳が着任した。主膳は奉行所の腐敗をつき、改革を断行しようとする新進気鋭の士だった。しかし、主膳と同伴してきた新支配頭黒塚喜助は、私情に溺れ蛇のような執念をもった男だった。喜助の妻くみと、御家人宗像弥十郎の仲にあらぬ疑いを持ち、弥十郎に罪をきせて佐渡送りにしたのも喜