1963(昭和38年)/4/28公開
配給:松竹 製作:松竹株式会社
週刊現代連載・棟田博原作を監督野村芳太郎と多賀祥介が共同で脚色、野村芳太郎が監督した喜劇。撮影は川又昂が担当している。
山田正助はもの心つかぬうちに親と死別し、世の冷たい風に晒されてきたため、一日三度の飯にありつける上、俸給までもらえる軍隊は天国に思えた。意地悪な二年兵が、彼が図体がでかく鈍重だからというだけで、他の連中よりもビンタの数を多くしようと大したことではなかった。ただ人の好意と情にはからきし弱かった。入営した日に最初に口をきいてくれたからというだけで棟本に甘えきったり、意地悪二年兵に仇討してやれと皆にケツを叩かれても、いざ優しい言葉をかけられるとフニャフニャになってしまう始末だった。だが、中隊長の寄せる好意には山