1965(昭和40年)/5/16公開
配給:松竹 製作:松竹株式会社
土井聞太のオリジナル・シナリオを、菱田義雄が監督した喜劇。撮影は平瀬静雄が担当している。
貝塚勇太は借金の返済に苦しむ社長をみかねて、債権者の葵貸店にやって来たが、逆に人間抵当として、働かされる羽目となった。主人の淳之助は婿養子で、実権は義母の玉子にあり、妻の勝子にも頭があがらない始末だ。玉子と勝子は易にこって、占いの通りに動くというありさまに、淳之助は嫌気がさして料理屋の女将咲子のもとに通った。長女の高子はTVのコピーライター、次女の桃子は恋人の山川とよろしくやっている。玉子の尊敬する運命鑑定所の呑海先生は、淳之助の通う咲子にぞっこんの間柄。二人とも恐妻からの唯一の避難場所としていた。一方呑海は地面師谷本と組んで、他人名義の土地を玉子・勝子親子に売りつけていた。その頃、淳之助は危機に立っていた。桃子の恋人山川が、かつて淳之助の恋人キクの息子だと判ったのだ。桃子と山川が兄妹であることを恐れた淳之助は、勇太に破談にしてくれるよう依頼した。だが父親が淳之助であることを否定したキクは、この結婚に大賛成だと語った。またその頃、葵質店では、淳之助が質草のバッグを咲子に与えたことから浮気がばれ、咲子のもとへのりこんで来た勝子の見幕で、淳之助は傷つき、いよいよ淳之助は妻への未練を捨てた。淳之助不在のまま、桃子の婚約は成立したが・・・。