1965(昭和40年)/9/30公開
配給:松竹 製作:松竹株式会社
池田一朗がシナリオを執筆、梅津明治郎が監督した青春もの。撮影は加藤正幸が担当している。
小牧組の次男坊小牧信次は、ヨット好きの血気盛んな学生だ。ある日信次は、海上で関組の社長関太一郎の弟良介に追われる女由美子を助け、良介を海に投げこんでしまった。数日後この事件に腹をたてた関組の乾分宮川、瀬戸らが、信次を渡せと乗りこんできた。これを知った信次は、乾分たちのとめるのも聞かず、関組の前に現れ「学生同士の喧嘩にやくざがでるとは面白い!」と痛快な啖呵をきった。信次の体には小牧家代々の仁侠の血が流れていたのだ。一方信次の兄信一は、そんなやくざの世界をよろこばず、一日も早く乾分たちを正業につかせようと、日夜悩みつづけていた。そんな信一にとって、唯一の憩いは恋人千恵とすごす二人だけの世界であった。だが、信一のこの小さな幸福も、長くは続かず、縄張り争いにまきこまれた信一は、やくざの凶弾の前に命を絶った。信一のあとを継いだ信次は、兄の遺言どおり、小牧組の解散を主張した。当然、これを伝え聞いた関組や新興勢力としてめきめきのしてきた杉木組は、小牧組のシマをこの機に奪おうとした。ちょうどその頃、無法を働き小牧組の若者たちに殴られたのを根に持った関組は意趣返しにガソリンスタンドを焼打ちした。焼けだされた子供の悲惨さを眼のあたりに見た信次は、武器を持たず、関組や杉木組と対決する決心をした。この信次の頭脳的なプレーは見事に図にあたり商人たちの証言も、警察の処遇もすべて小牧組に有利となった。そしてある日、あまりに執ような関組と杉木組の攻撃に業を煮やした信次は、関と杉木をヨットで海に連れだした・・・。