1967(昭和42年)/3/11公開
配給:松竹 製作:松竹株式会社
石森史郎がシナリオを執筆し、宮崎守が監督した青春歌謡もの。撮影は丸山恵司が担当している。
ホテルのコック見習い小田切吾郎と造船所に働く杉江浩介は小学校時代からの友人だった。吾郎の夢は、コックの留学生に選ばれ外国に行くことであった。この吾郎にホテルの前の花屋で働く松宮知子が好意を寄せていた。仕事に打ち込む真面目な吾郎に知子の肉親も暖かい目で二人を見ていた。そんな吾郎にホテル勤務の娘由美からスキーの誘いがきた。スキー場の別荘で料理の腕をふるう吾郎に常務も目をつけるのだった。その留守中、知子は少年院出のため周囲から白眼視されている浩介を植物園などに案内し何かと親切にしてやるのだった。やがて吾郎がスキー場から帰ってきた。いつも三人で行く喫茶バー・カリブで楽しく語り合う三人だったが、吾郎と知子の親しい様子に浩介の気持ちは沈んだ。彼が寮へ帰ると、少年院で一緒だった黒木が来ていた。黒木は造船所のオートバイを盗み、その穴埋めのため8万円を何とかしてくれと言うのだった。浩介は断った。しかしその罪が自分にかかってきた。浩介から事情をきいた知子は店番の信造に借金を申し込んだが、信造は彼女が吾郎から頼まれたと勘違いしたため吾郎を怒鳴りつけた。寝耳に水の吾郎は早速黒木の所に行き、彼をなじったが、逆に「知子と浩介はデキている」と言われ愕然とした。だが金は絶対に自分がつくる、と決心した吾郎はホテルに退職願いを出し、退職金代りの8万円を黒木に渡して以後浩介に近づかないことを誓わせた。一方、知子も信造からついに金を借りて黒木のいる事務所へ届けたが、黒木の兄貴分弘松はその金をネコババしてしまった。これを知った黒木は弘松に喰ってかかったが、逆にナイフでさされ、そこへ駈けつけた浩介も黒木に傷つけられてしまう・・・。