1969(昭和44年)/8/9公開
配給:松竹 製作:松竹株式会社
舟橋和郎と瀬川昌治、高羽哲夫のトリオが、脚本、監督、撮影を担当した旅行シリーズ第3作。
長谷川吾一は、32歳でまだ独身。国鉄を愛してやまぬ東北本線急行の専務車掌である。そんな吾一に、幼なじみの美人芸者さくらは夢中。かおり先生お目当てに、黒一点もいとわず吾一が通う料理学校にも付いて来るありさま。一方、吾一家の居候、乗客掛の新作は、食堂車パーサー・矢代大吉の娘、ウエイトレスの綾子と恋仲になったが、昔堅気な大吉に仲を裂かれてしまった。新作のため、これを怒った吾一の母みねは、矢代家にのりこんだが、話し合ううち、後家とやもめのみねと大吉は、すっかり意気投合。ついに結婚宣言をして周囲を唖然とさせた。年に一度の竿灯祭の夜、ついに、吾一はかおりにプロポーズした。答えはイエス。ただし、吾一が国鉄をやめ、かおりの父のリンゴ園をつぐという条件つきだった。一晩悩んだ吾一は、翌日「国鉄をやめ、あなたをとる」とかおりに告げ、そのかわり婚約の誓いに今夜ホテルで会ってくれと頼むのだった。その夜最後の乗務を感慨深く終えた吾一は、胸はずませ約束のホテルのドアを開いた。が、そこにいたのはさくら。国鉄を愛する彼の心を汲んだかおりが、身をひいたためだった。だまされたと知った吾一はヤケ酒をあおり、絶望したさくらは、睡眠薬自殺を図った・・・。