1969(昭和44年)/12/31公開
配給:松竹 製作:松竹株式会社
渡辺祐介と田坂啓が脚本を書き、渡辺が監督したシリーズ第3作。撮影は荒野諒一が担当している。
漢方薬製造工場を経営する伊刈長吉は、女房のお菊に赤ん坊を置いて逃げられた。その上、従業員四人が揃って辞めると宣言した。忠次、風太、工作、ヒデオの四人は、長吉の後輩だが、給料は安く、工場の異臭が町の非難を浴びて肩身がせまいと言う。結局、ヒデオを残して、三人はやめた。ヒデオは長吉に恩があり、忠誠を誓っていた。そんなある日、配達の帰りにヒデオはヒッチハイクの女性を便乗させたが、その中の一人が初恋のミヨちゃんそっくり名前も美代といった。一方、悪臭をまき散らす工場への町民の非難は日増しに高まり、長吉に同情的なのは、高校時代の恩師花山大造だけだった。美代が花山の妹だと知り、二人は驚いた。やがて美代は、見合いをしたがその相手は、アジア観光御曹司石田だった。石田は町のボス熊寅と結託して、悪事を企んでいた。長吉の工場周辺の土地を買い占め、バイパスとモーテルを建設、地価の値上がりでひと儲けしようというのだ。工場存廃の町民投票に敗れ、問屋にもボイコットされた長吉はヒデオと自殺を図ったが、ヒデオは逃げた。一方、石田らを探っていた美代は芸者ぽん太の協力で、熊寅と石田の密談の証拠を掴み・・・。