1971(昭和46年)/1/15公開
配給:松竹 製作:松竹株式会社
第1作「男はつらいよ」から第6作目。渥美清、倍賞千恵子をはじめとするレギュラー・メンバーに、今回は寅さんに慕われる6人目の女性に若尾文子、その他森繁久彌、宮本信子らが出演する。原作・脚本・監督は山田洋次。宮崎晃も脚本に参加し、撮影を高羽哲夫がそれぞれ担当している。
木枯しの吹く初冬の長崎港。相も変わらずテキヤ渡世に身をやつしている車寅次郎は、五島列島の福江島に出かけていった。そこには長崎港で知り合った赤ん坊連れの出戻り女・絹代の家があった。そこで絹代と父親千造の愛情あるやりとりを聞いているうちに、たまらなく故郷柴又が恋しくなって、一目散に柴又へ向った。その頃柴又の「とら屋」ではおいちゃん、おばちゃん、さくら、博たちが集まって寅さんの噂ばなしに花を咲かせていた。というのは数日前、「とら屋」におばちゃんの遠い親せきで和服の似合う美しい女性夕子が、事情あって寅さんの部屋に寝泊りしながら店を手伝っていたからだ。「寅がいたらまた熱を上げてしまう」というみんなの心配をよそに、寅さんがひょっこり帰って来た。寅さんは自分の部屋が誰かに貸してあるのを知るとカンカンに怒って外へ出ようとするが、現われた夕子を一目見るなり、たちまちのぼせ上り、旅に出るのはやめてしまった。「とら屋」に腰を落着けた寅さんのところにある日のこと、さくらの夫・博が独立問題を相談に来た。それは、いい印刷工場の出ものがあるから、将来のために独立したいが、永年世話になって来た社長梅太郎に言い出しにくいから寅さんからうまく話してくれということだった。事情を聞いて寅さんは、「お前に向いている」とこの話に大賛成、翌日梅太郎のところに出かけた・・・。
毎日映画コンクール監督賞(山田洋次):文部省芸術祭文部大臣賞(渥美清)