1971(昭和46年)/10/1公開
配給:松竹 製作:松竹株式会社
テレビで放映されていた山田洋次、稲垣俊原作の「泣いてたまるか」の映画化。脚本は大西信行。監督は脚本も執筆している宮崎晃。撮影は加藤正幸がそれぞれ担当している。なお宮崎晃は、これが監督昇進第1回作品となる。
運送会社の長距離トラックの運転手・平山源太郎は、世話好きでお人好し、39歳でいまだ独身である。彼は母親・とみと二人暮らしで、ときどき腹違いで調子の良いちゃっかり屋・五郎が家に帰ってくる。ある日、源太郎は新潟の国道沿いで、男に乱暴されそうになっている娘・弘子を助けた。彼女は、東京のキャバレーで働く友人を頼って家出を決意し、上京する途中のできごとだった。事情を知った源太郎は弘子を家に連れてくる。幸い母親も弘子の素直な性格を見ぬいてか、気に入った様子。こうして弘子は源太郎の家で暮らすことになった。しかし、いつまでも迷惑をかけられないと思った弘子は、小料理屋に住込みで働くことを決めた。弘子に好意を持っていた源太郎は、小料理屋の主人が人一倍の好色家だと聞くと落ち着かず、弘子を訪ねるが、何を錯覚したのか、主人と大喧嘩、弘子の勤めをメチャクチャにしてしまい、果ては警察のご厄介になる始末。数日後、北海道から帰った源太郎は、運転手仲間の溜り場のスナックで働く弘子と再会した。このスナックは、源太郎のかつての先輩の未亡人・道子が経営しており、弘子のことは母親が頼んだのだった。そんなところに五郎が帰ってきた。顔で笑って心で泣く源太郎の心境も知らず、五郎は弘子に近づきデートを申し込む有様。ある日、五郎は弘子が同郷の青年にホテルに連れ込まれるところを助けたのをきっかけに求婚したが、弘子は五郎とは単なる友達付合いだと思っていたので、益々源太郎の家に居づらくなり、道子にだけ居所を告げて二人の前から姿を消した・・・。