1973(昭和48年)/8/4公開
配給:松竹 製作:松竹株式会社
全員集合シリーズ11作目。今回は、いかりや長介が無能な医者に扮して、加藤茶たちの欲呆け集団との大騒動を演じる。脚本は田坂啓、監督は脚本も執筆している渡辺祐介、撮影を荒野諒一がそれぞれ担当している。
東京の下町に薮井という医院がある。院長の長介は、自分を下町の太陽だと固く信じているが、近所では必殺病院と噂されている。同じ下町の酒屋・会津屋は、母親花子とヒデオ、あやめの3人で商売をしているが、ヒデオは働くのが大嫌い。そこで交通事故にあったと嘘をつき薮井病院に入院したが、結局はバレてしまい、即、勘当。医院にまた一人患者が来た。黒木組の三下やくざ忠次で、「仁義なき戦いをやって来た」と言うわりには、かすり傷だけしかない。黒木組は、この役たたずを持て余し、忠次の兄貴分の小原庄一を派遣して、忠次を医院で引きとってもらうように話をつけた。ある日長介はあやめと街で会い、彼女に恋するようになっていた。だが、あやめには、無医村を巡回診察するというヒューマニズム溢れる青年医・矢代五郎という恋人がいる。そんなある日、あやめは、庄一を会津若松から尋ねて来た父庄助が、疲労と暑さで路上に倒れているところを救い、親切に介抱して、帰してやった。さて、五郎は東北地方に行くことになり、丁度庄助のことが気になっていたあやめも、五郎について行くことになり、会津若松にたち寄った。ところが、庄肋の家を尋ねると大豪邸。会津一の大金持だったのだ。その上すっかり、あやめが気に入った庄助は、ぜひ養女に来てくれといいだした。一方、長介の恋の相手が自分の妹だと知ったヒデオは、ガラッと態度を変え威張り始める。かくして、ヒデオたち五人は色と欲から会津若松へと出発した。