1973(昭和48年)/11/22公開
配給:松竹 製作:松竹株式会社
何をやってもダメな万年平サラリーマン、通称ダメおやじと、夫の出世を願いダメおやじをシゴく妻、通称オニババとその子供が捲き起す喜劇。古谷三敏の同名漫画の映画化。脚本はジェームス三木、監督は脚本も執筆している野村芳太郎、撮影を川又昂がそれぞれ担当している。
桃栗不動産の若きホープ雨野大助と短大出の才媛本田冬子がめでたく結婚した。それから10年。万年平社員の大助は今だに2DKの団地住いだが、冬子と7歳になるタコ坊との3人暮しに満足していた。そんなある日、冬子は大学時代の後輩・由美子の夫・南村が課長に昇進したためショックを受けた。大助と南村は、同じ会社の同期だったのである。冬子は、母の豊子と二人で大助をなじり、課長になるように、と発破をかける。しかし、大助は相変わらずマイペース。そんなある日、大助はひょんな事から、同じ課の美人社員・すみれのマンションを南村が訪ねるのに出会った。数日後、大助は夜遅く、南村に呼びだされた。南村はすみれのマンションにいて帰りが遅くなったので、大助と飲んでいたことにしてくれ、と頼んだ。承知した大助は、由美子の前で酒に酔った演技をするが、演技過剰すぎて由美子はあきれ顔。翌日、由美子は冬子を呼び出し、大助のことを報告し、大助を係長に推薦するのは無理、と冷たく言いはなつ。オニババと化した冬子は、大助に対して猛烈な特訓を展開した。今のままでも楽しければ良いと思う大助だったが、妻や子供のために宅地建物取引主任者試験を受けると宣言。だが、毎日の特訓に大助は疲労困憊、ダウンしてしまった。そんな大助をすみれは優しく労わり、彼女のマンションに招待した。その時、突然由美子が部屋に入って来た。彼女は夫の浮気に感づき、押し入ったのだったが、大助を見て困惑顔。いよいよ試験日。奮闘努力のかいもなく、大助は答案用紙がオニババに見え、試験場を逃げ出してしまった。