1976(昭和51年)/7/24公開 84分
配給:松竹 製作:松竹株式会社
戦国末期を舞台に中年の猿飛佐助を活躍させた時代物喜劇。脚本は長内英光、監督は脚本も執筆している山根成之、撮影を竹村博がそれぞれ担当している。
戦国時代の末期。甲賀流忍術の名人・戸沢白雲斎のもとで永年の忍術修業を終え、免許皆伝を与えられた猿飛佐助はすでに36歳になっていた。その後は、真田幸村の諜報員の一人として、名も犬飼左門と変えて徳川方のいろは城の御納戸役になりすまし、昼はまったくの腰抜け侍、夜になると忍術を縦横無尽に駆使して天井裏をはい回り情報収集活動をしていた。いろは城には楓という美人の奥女中がおり、佐助はすっかり惚れてしまった。ところが、この楓こそがいろは城の忍者の頭領・千田六右衛門のナンバー・ワンのくノ一だったのだ。折しも佐助は手に入れた密書を手土産に九度山の幸村の許へ戻った。ところが、この密書は、徳川方に組せんとする諸大名の盟約を誓った血判状であり、これが盗まれたと発覚すればすぐにでも合戦が始まるかも知れないと、幸村は密書を元の場所に戻すように佐肋に命じた。その頃、六右衛門と楓は姿を消した犬飼左門が猿飛佐助であることを知り、一計を策した。楓は城に戻って来た佐肋に、以前から好意を寄せていた、と言い寄ったのだ。人の良い佐肋は、自分の正体を明かしてしまうのだが、それでは九度山で結婚して下さい、という楓に天にも昇る気持。しかし、道中、佐肋はあまりの嬉しさに酒を呑みすぎたために、怒った白雲斎は佐助の巻物を忍術で取り上げてしまった・・・。