1976(昭和51年)/9/23公開 90分
配給:松竹(受託配給) 製作:三協映画
少年マガジン連載の人気劇画の3度目の映画化で、今回が完結篇。悪の温床花園実業高校を舞台に、一匹狼の誠と、彼に心を寄せる愛のロマンス、ヤングマフィアの団長峻と誠の対決を描く。脚本は前2作の監督をした山根成之と長尾啓司・南部英夫の合作。監督はこの映画がデビュー作になる南部英夫。撮影は竹村博がそれぞれ担当している。
東京新宿にある花園実業高校は、全国でもその名を知られた不良学校だった。この悪の温床を牛耳っていた陰の大番長、高原由紀が、一匹狼の太賀誠との戦いに敗れて死を選んでからは、学園にしばし平和が訪れたかのように見えた。そんなある夜、太賀誠を愛している早乙女愛のところに、怪電話がかかった。電話の声は、「お前と太賀誠は、即刻転校しろ。無駄な血を流したくないなら」と言って切れた。それは、明らかに誠への挑戦状だった。愛から忠告された誠は、強敵の出現に、またしても闘志を燃やすのであった。電話の主は、二人の精神主義を軽蔑しているヤングマフィア緋桜団の団長を名のる砂土谷峻だった。翌朝、誠が登校すると、彼の教室は緋桜団に占拠されていた。緊迫した空気が一瞬流れたが、そこへ割って入ったのが、花園実業の理事長座王与平だった。彼は、政財界の黒幕といわれ、時の政権をも動かすことのできる大物だった。しかし、峻は座王の出現にもおじけず、彼の身体をムチで打ち飛ばした。それに座王は耐える。こんな場面を一同は驚きと恐怖で見つめた。座王は、実は峻の父親だったのである。彼が女中に手をつけた時にできた子が、峻であった。峻は幼少の頃、座王の苛酷な仕打ちに合って目を傷つけた。それ以来、家を飛び出して、父を憎んでいたのだ。この出会いは、そんな峻と、負い目を背負った父親との何年ぶりかの再会だった。