1977(昭和52年)/3/19公開 88分
配給:松竹 製作:松竹株式会社
一人の青年が愛と家族の葛藤に悩みながらも、新しい生き方を求め成長していく姿を描いたストーリー。脚本は松原信吾と仲倉重郎、栗山富夫による共同執筆、監督は斎藤耕一、撮影を坂本典隆がそれぞれ担当している。
洋介は、亡父弘隆の七回忌の法要が行なわれた日、四年ぶりにアメリカから帰国した。母親千鶴子は、夫の死後、村形製薬を一人できりまわし、兄・英樹もそんな母の期待にこたえていた。母は洋介にも、英樹のようになってほしく、米国留学をさせたのであった。しかし、洋介は、一年間の大学生活で、自分が村形家の一員とし耐えられないことを悟り、大学をやめ、放浪生活を送っていたのだ。そのことをこの期に母に内明けようとしたが千鶴子の顔を見ると何も言えなかった。その日、兄のフィアンセ・由幾を見て、洋介はその美しさにひかれ、自分の夢のよき理解者であると直感。由幾もそのようなことを感じた。由幾は銀行頭取の娘で、壁画家であった。それから、二人は何回かのデートをかさねた。洋介はある日、福生の街で知り合った自称・カルロスを由幾と二人でたずねた。しかし、その時連中は、麻薬パーティを開いていて、洋介と由幾はびっくり。カルロス等は翌日、警察に摘発され、洋介の名も新聞に出てしまった。由幾は英樹と洋介の間にはさまって悩む。そんな由幾の気持の一番の理解者は千鶴子であった。数日後、由幾をヨットに誘い、洋介は彼女に求愛。しかし由幾は、今は強くなった洋介の愛を拒絶する。