1982(昭和57年)/9/11公開 127分 カラー
配給:松竹 / 富士映画 製作:松竹 / 霧プロ
殺人容疑者の女と彼女を弁護することになった女性弁護士の間の確執を描いたストーリー。松本清張の同名小説の映画化で、作者自身が脚色し、撮影台本は古田求と野村芳太郎による共同執筆、監督も野村芳太郎、撮影を川又昂がそれぞれ担当している。
富山県新港湾埠頭で車が海中に転落した。乗っていた地元の財閥・白河福太郎は死亡したが、後妻の球磨子はかすり傷ひとつ負わなかった。しかも、球磨子は過去に情夫と共謀して数数の犯罪を起こしていたことが判明。彼女は夫に三億円の保険金をかけており、この事故も、泳げない福太郎を殺すための偽装ではないかと誰もが疑った。北陸日日新聞の秋谷が積極的に報道を始めた。物的証拠がないまま球磨子は逮捕された。強気の球磨子は弁護士の原山を通じて、東京の花形弁護士・岡村に弁護を依頼するが、彼女の不利な立場に拒否され、原山も健康を理由に辞退。そして、女弁護士の佐原律子が国選弁護人として選ばれた。球磨子は同性でありながら自分とは違いすぎる立場にいる律子に反感を待った。律子も同じ気持ちであったが、ふとした偶然の事故から福太郎が自殺を企みようとしたことをつきとめた。球磨子は無罪となるが保険金は手に入らなかった。そして律子は真実をつきとめたが、球磨子を許すことは出来なかった。
世界ミステリー映画祭主演女優賞(桃井かおり):毎日映画コンクール脚本賞(古田求・野村芳太郎)