1984(昭和59年)/9/22公開 108分 カラー
配給:松竹(受託配給) 製作:ライトリンクス・コーポレーション / 六塔社
旅回りの役者たちの姿を、一座の若き座長を中心に描いたストーリー。脚本は杉村のぼる、沢竜二、高橋勝による共同執筆。監督はこの作品がデビュー作となるTV出身の高橋勝、撮影監督は森田富士郎、撮影は渡辺貢がそれぞれ担当している。
熊本が生んだ花形スター、花田半次郎は座員15名を率いる旅回り一座の座長である。25歳の彼の荒削りな魅力に熱狂的なファンもおり、新しく座員になった川口洋子も、巡業に来た半次郎に一眼ぼれしてやってきたのだ。半次郎一座が出演している劇場へ、博多から松本千之介がやってくることになった。千之介と言えば九州一のドサ役者、客の入らない半次郎一座は明日にでも出ていかなければならない。夜、荷物をトラックに積み込んでいる一同の前に、真紅のキャデラックから純白のギンギラギンのジャンプスーツの千之介、続いて、大人の色香を漂わせた美女・花房マリが降り立った。翌日から半次郎一座は付近の神社の境内に陣取って興業を始めた。猛烈な宣伝合戦に、壮烈な演目合戦、それは千之介の女、マリに惚れた半次郎の対抗心からでていた。客の入らない芝居に半次郎の父・団平は四苦八苦。半次郡はひいき筋の女たちの所へスタミナドリンクを飲んで回り、お金を集めた。実は千之介も同じようなことをしていたのだった。彼も博多で観客が入らなくなって一旦、熊本に出てきたのだ。興業主から吹き込まれてしまっている千之介は、東京でスターになることを夢見ていた。しかし、東京の興業主が眼をつけたのは半次郎だった。一時は東京進出に浮かれた半次郎も、マリが反対していると知って断念する。東京に出た千之介に、マリの面倒を見てくれと頼まれた半次郎は博多へ進出した・・・。