1985(昭和60年)/3/2公開 122分 カラー
配給:松竹 / 松竹富士 製作:松竹富士
刑務所から出所した男が、あらゆる手段を講じてアウトロー世界でのし上がっていく姿を描く。脚本は「地球へ・・・」の塩田千種、監督は「シングルガール」の村川透、撮影は「魚影の群れ」の長沼六男が担当している。
早瀬俊夫、27歳。7年の刑務所暮らしを終え、かつての務所仲間である岡野を訪ねた。俊夫はしばらく、岡野の借金取り立ての仕事を手伝う。そんなある日、金のためなら何でもやる総会屋・立花の事務所で、銀座のクラブを経営する妖艶な女・市川多恵子と出会った。その夜、俊夫は多恵子を強引に抱き、関係を結んだ。怒りがおさまらないのはそれまで多恵子のツバメたった工藤だが、俊夫に腕力でも度胸でもかなわないと思った工藤は俊夫の弟分になった。2ヵ月後、俊夫は西麻布に多恵子が開店した高級クラブ“宵待草”のバーテン兼用心棒として夜の世界に生きていた。その店には、多恵子のパトロンである政界の黒幕、神崎や総会屋の立花も来ていた。その店で俊夫の目を引いたのは、ピアノの鍵盤を華麗にあやつる女・王麗花だ。麗花にひと目惚れした後夫は執拗に彼女を追い回し、愛をかわすようになる。やがて俊夫は「人が10年かかるところを3年でやってみせる」という決意に従い、自らの計画を実行に移しはじめた。まず、多恵子から借金をして、自分の店を持ったのだ。野望をひとつずつ達成していったが、そんなことで満足するような俊夫ではない。そんな時、俊夫は立花と多恵子がほしがっている森山ビルの譲渡権利書の話を耳にし、森山ビル獲得のため動き始めた。