1987(昭和62年)/12/26公開 94分 カラー
配給:松竹 製作:松竹株式会社
美女泥棒のデパート襲撃事件と恋の転末を描く。結城昌治原作「白昼堂々」の映画化で、脚本は「塀の中の懲りない面々」の梶浦政男と「生きてるうちが花なのよ死んだらそれまでよ党宣言」の森崎東が共同で執筆。監督は「塀の中の懲りない面々」の森崎東、撮影は同作の坂本典隆がそれぞれ担当している。
石山豊代は目の醒めるような美人だが、その正体は女泥棒。万引きの常習犯で前科2犯だった。亡き父も大泥棒だったが、その薫陶を受けて豊代の仕事ぶりはいつも鮮やか。決してヘマはしない。ところが、ある日同じ下宿屋に住む貧乏音楽家・三枝高志に恋をし、足を洗う気になった。しかし、そのためには最後の大仕事をしてガッポリお金を稼いでおく必要があった。そんな豊代をずっと追っている大耳清十郎という刑事がいたが、彼は惚れた弱みでいつも温情をかけてしまう。そんな豊代は大耳の説教を聞きながらも、ついつい手は財布へと伸びるのだった。晩秋、豊代は長崎の高島炭坑を訪ね、大仕事のため昔の父の仲間のワタ勝、タケさんらに助っ人を頼むが、あっさりと断わられた。しかし、三枝に恋心を抱く豊代は彼が欲しがっている最高級の楽器をプレゼントするためにも、今回の仕事は成功させなければならないと思った。ある日、豊代はデパートで万引きをしていたところ珍しくドジを踏んで保安室に連行されてしまった。しかし、そこの保安員はなんとかつての父の泥棒仲間・富田銀三だった。見逃してもらったあげく、豊代は銀三にも仕事を持ちかける。豊代の計画とはデパートの売上げ金強奪で、年末には10数億円もの金額になることがわかっていた。長崎からはワタ勝らも上京し、本格的に準備も進められていった。しかし、いよいよ決行の日が近づいたというときどこからか計画が大耳にもれてしまったのだった…。