1988(昭和63年)/10/15公開 99分 カラー
配給:松竹(受託配給) 製作:光和インターナショナル
普段大人しい人間が精神的抑圧から「バカヤロー!」と叫び出すまでのシチュエーションを描いている作品。「そろばんずく」の森田芳光が総指揮・脚本を務めた四話からなるオムニバス映画で、監督は新人の渡辺えり子、中島哲也、原隆仁、堤幸彦、撮影は「うれしはずかし物語」の川上皓市と「団鬼六 妖艶能面地獄(1988)」の長田勇市が二話ずつ担当している。
〔「食べてどこがいけないの?」〕厚木静香はダンスパーティで沼山和樹と知り合い婚約をするが、彼は実に神経質な男だった。和樹は食事のマナーや静香の体型など、ところ構わず、ベッドの中ででも文句をつける。彼女は数日後の両家の食事会に向けて、必死でダイエットを試みる。〔「遠くてフラれるなんて」〕軽間佐恵は自宅と会社が遠い上に父親が厳しいため、アフター5に友人と遊ぶこともままならなかった。唯一の楽しみである恋人・大石守とのデートも終電で帰らなければならないのでうまくいかない。ある晩佐恵は彼のためにホテルを予約するが・・・。〔「運転する身になれ!」〕気の弱いタクシー運転手の益子雅久は、毎晩酔っ払いなど嫌な客を乗せてストレスがたまっていた。ある晩美人ホステスの徳子を乗せてアパートまで送り届けたが、突然男が現われてタクシー代も払わずに彼女を連れて行くのだった。翌日、益子は後部座席でイチャつくアベックを見て・・・・・・。〔「英語がなんだ!」〕会社からシカゴ勤務を命じられたサラリーマンの向坂茂は、日夜英語の勉強に励んでいた。英語が堪能な上司の高橋は、なかなか上達しない向坂を内心バカにしていた。ある晩、会社のパーティでグラマンというシカゴ出身のVIPと向坂は知り合う。グラマンは無類の女好きで、嫌がるコンパニオンを無理やり口説いていた。向坂は見るにみかねて止めようとするが・・・。
毎日映画コンクール男優助演賞(大地康雄)