1969(昭和44年)/10/29公開 99分 カラー シネマスコープ 映倫番号:16080 R18
配給:東映 製作:東映
江戸川乱歩の「パノラマ島奇談」「孤島の鬼」「人間椅子」「屋根裏の散歩者」などを取り混ぜた作品。乱歩猟奇の世界を石井輝男監督が見事にえぐる。 舞踏家・土方巽の圧倒する演技とラストシーンの人間花火シーンが話題となった。
狂ってもいないのに灰色の精神病院に監禁された医大生・人見広介は、幻覚の中で聞き覚えのある子守唄を耳にして、憑かれたように病院を脱走し、曲馬団の美少女・初代に出会う。広介は親兄弟や故郷を知らず、聾唖の叔父に育てられたが、この少女も同じ様な孤児だった。だが、初代は彼の目の前で何者かに殺害されてしまい、危うく殺人犯にされかけた広介は、初代が言った「裏日本の子守唄かも知れない」との言葉を頼りに、謎を解くべく北陸へと向う。途中、車中で見た広介と瓜二つの菰田源三郎の病院に関する新聞記事を見てある町に降りた広介は、菰田家の当主・源三郎の父・丈五郎が、生まれながらの奇形のために人目を嫌い、結婚後間もなく執事の蛭川に後を任せ、妻のときを連れて無人島へ渡り、多額の金をつぎ込んで島を人工改造しているという話を聞いた…。