1970(昭和45年)/11/11公開 88分 カラー シネマスコープ 映倫番号:16497
配給:東映 製作:東映
極悪坊主シリーズから独立した菅原文太主演第1作。
空手と無知と少林寺拳法を武器に諸国放浪の旅を続ける地獄の怪僧了達。その行く手に立ち塞がるものは、肉を裂かれ骨を砕かれてことごとく息絶える。
明治10年の西南戦争下。軍資金集めの賭場ばかりを荒し廻る子供連れの盲目の怪憎がいた。その名は了達。饅頭笠の下、了達の目的は師の了雲から預かった盲目の捨て児の小坊主・林太郎の母を探すことにあった。紀州路へ入った了達は新宮の遊廓常盤桜へ上るが、折しも借金がかさんで泉州、堺へ鞍替させられる寸前の中年の娼婦があり、何故か林太郎の胸に下がった守り袋に目を釘づけにすると顔をそむけて逃げる様に去る。この女こそ探し求める林太郎の母親・お蔦であった。本能的にお蔦を追い求める林太郎の様子に何かを感知した了達は、馬車で行ったお蔦を追ってまたも堺へ飛ぶ。道中で了達に惚れあとをつけて来た明烏のお半と腰巾着の八丁松も更に後を追う。途中、了達は白浜に立寄ったが、たまたま土地の宿で、陸軍省徴募係の谷川中尉らと堺の博徒泉州屋辰五郎、和歌山の博徒船岡の金蔵らが軍夫の調達をめぐって悪取引きをしており、この金を盗んで捕まったお半達を助けた了達は薩摩の密偵と間違われて一味に狙われる羽目になる。一方、和歌山に軍需物資の集積をはかる陸軍少将前島らと辰五郎らは、琉球の貿易商花城万里の妹、麻耶から火薬200樽を安く買いたたこうとするが断わられ、刺客をさしむける。麻耶はある宿に逃げ込み、投宿していた了達に救われる。了達は麻耶に林太郎を預けると刺客と乱闘のまゝ近くの紀之川から筏で堺へ流されてしまう…。