1971(昭和46年)/1/12公開 93分 カラー シネマスコープ
配給:東映 製作:東映
終戦後のドサクサ時代がそのまま残っているそんな場所があった―。この映画の背景となる、本土復帰を巡り騒然とした頃の沖縄である。本作は、現在の沖縄県が日本に復帰する直前の昭和46年に製作された。
男たちを演じる鶴田浩二、若山富三郎、安藤昇、渡瀬恒彦ら豪華スターたちが血の臭いに惹かれた狼の群れを凄絶なドスさばきで魅せてくれる。
元浜村組の代貸・郡司が10年ぶりに出所した時、横浜はすっかり変っていた。昔のヤクザたちは影を潜め、東京からノシて来た大東会だけが堅気づらして町を仕切っていたのだ。かつて横浜には、浜村組と港北会という二つの組があったが、大東会々長の大場は、対立する組を巧みに操り遂には潰したのだった。郡司が10年の刑を受けたのも港北会に殴り込んで組長を刺し殺したためだった。大場のもとに出所の挨拶に出向いた郡司は、堂々と500万円の金をゆすり取ると、これを軍資金に新しい縄張りを築くため、昔の乾分・尾崎たちを連れて沖縄に乗りこんだ。沖縄の那覇には二つの組織があった。波照間一派と具志堅一派である。さらには、コザ市の大ボス・与那原の弟である愚連隊長の狂犬次郎が縄張り拡張を企んでいた。郡司はまず具志堅を叩いてその縄張りを自分のものにすると宣言するのだが...。
「博徒」シリーズ(10)