1979(昭和54年)/6/23公開 131分 カラー ビスタ 映倫番号:19340
配給:東映 製作:東映
最も罪深い愛のかたちを地獄で燃焼させる男と女!空前の話題を呼んだ丹波哲郎の映画「大霊界」よりも早く、死後の世界を生々しく描いた問題作!美しくも凄絶な地獄絵巻を鬼才・神代辰巳がエロチシズムに映像化。特殊撮影を矢島信男が担当。
親の顔も知らぬまま、孤児として20年の歳月を過ごした水沼アキは、ふとしたことから生形幸男と出会い、何かに憑かれたかのように彼の故郷の村へやって来た。出迎えた幸男の母シマは、アキを見るなり顔色を変える。暗雲の立ち込める古寺の石段を登ったアキの前に、「金輪を回し、止まれば極楽。逆に戻れば地獄」と言い伝えのある笠卒塔婆が立っていた。アキがそっと金輪に手を触れると、金輪が意志あるもののように凄まじい速度で逆回転を始め、地鳴りが湧き起こった。地獄!足元が崩れ、アキは虚空に投げ出される。失神したまま血の色をにじませた両眼に映ったものは、アキの呪われた出生の秘密と、姦通の罪によって地獄でのたうつ、母ミホの姿だった。アキは、自分が愛した生形幸男が腹違いの兄であると知り、また幸男の兄・松男にも体を許してしまう。これまで無邪気なほど平穏を保ってきた生形家は、アキの出現により亀裂が走り、とめどもない人間の愛憎が堰をきって流れ出すのだった…。